個展 「JOY」振り返り日記

※ photos by Ken Okada


本当は、前回の日記のあと毎日日記を描きたかったのだけど。

バタバタで書けず。。なので、忘れないうちにまとめて振り返りを。


●今回の個展準備を通して目標としていたこと


今回の個展は、来場人数がとか、売上がー元々、NTT東日本さんの社会貢献的ギャラリーで販売できない場所だったのだけれどーとかではなく。


そもそも、私にとっては”妊娠・出産・産後の子育て”を通して弱った、自身の「創造性の回復」というのが個展を開催するまでの準備期間を通しての目標だった。


あ、それ以前に、良い作品を創って観た方に喜んで頂く、というのはもちろん目的というか大目標としてあって。そこに至るための道程としての目標というか。


それで、結論からいうと、うまくいった、というか回復した。果たされた。と思っている。

時間的に産前と同じレベルまで動けるわけではないものの、アイデアや考える力、産み出す力、みたいなものは近いところまで回復したのではないかと。



このGWには大阪の「せんちゅうパル」というショッピングモールで、ライブペインティングによる壁画制作と子どもたちとの共同作業により壁画を完成させるワークショップのお仕事をしていた。

GWまではその準備にかかりきりだったため、個展の準備までは手と精神の余力が回らなかった。


なので、その後の2ヶ月、実質は1ヶ月半位の期間に14点ほどの作品を仕上げたと思う。諸々の準備を考えると、2〜3日に1点くらい仕上げられたので、まあまあかなと。

本当は1日1点を目指したかったけれど、そこまではなかなか。

もちろん、サイズをあまり大きくし過ぎずA3サイズにほぼ統一していたのでできたことで。大きなサイズではまた話が違っただろうし、早ければいいというものでもないというのもわかっている。

ただ、自分には今、「どんどん創る、たくさん創る、より多くのものを内側から引き出し創造して産み出すという無意識の習慣を取り戻す」ことが必要だなという意識があったので。そうした計画とプロセスで仕上げてみた。


上記したような、アイデアを出す力、描こうとする力、が戻ってきたのは、本当にとても良かった!と思っている。



●とにかく素振りをすること。


個展の話そのものからはみ出るかもしれないけれど。


上記した”妊娠・出産・産後の子育て”を通して、身体や脳、生活サイクルなどが変わり。

「もともと自分に備わっている」と思っていた力が削がれていく、というのは大きなショックだし、ブルーになったり、どうしよう!?と戸惑うことでもある。

もしかしたら、それにより、それ以前に楽しんでいたことや活躍していたこと・目指していたことを諦めてしまう女の人もいるかもしれない。


でも、自分は諦めたくないな〜と思った。

それなので、どうしたら回復するか?を考えてみた。


それで考えたのは、とにかくいっぱい描くこと、かなと。

シンプルかつ単純で原始的。

野球選手が素振りをする、みたいなイメージ。

絵描きって、結局手を動かし心を動かし頭で考える仕事。だと思うので。

無意識にそういうことができるようになるまで、たくさんやる。その繰り返し。



そして、やっぱりそうなのだな、と確認できた今回の個展。これを途切れず継続させていきたい。


産後のエネルギーも回復してきたので、次はもうちょっと大きめの作品も増やしたいなということや、地元でも開催するけど東京方面や遠くでもだんだん個展を開催したいなと思うようになった。



●観てくださった方々の感想や反応から思ったこと


もちろん作品が響く人も響かない人もいるのだけれど。

比較的響いてくれる方が多かったような印象。

感動してくださる方とか、伝わったなと感じられる時にはやはりとても嬉しいし、一番のモチベーションになる。


今回は特に「JOY」=人生の喜び、というタイトルから想起されるような、黒を使わず明るい色彩に溢れた展示だったので。それにより喜んでくださる方が多かった印象。


私は色彩にはパワーがあると思っているので、やはり人の心を癒したり観て元気が出るようなものを届けたいなと思っている。地上の光になるような作品を描けたら一番良い、と思う。


そういう作品をそばに置いて感じたり何度も観たりすれば、生活や人生全体もHAPPYになるような。そういう作品をたくさんたくさん表現して創っていきたいと心から望んでいる。



●詩について


今回、新作の絵に詩をつけてみた。

もともと、観て読んで癒されたり元気が出たり人生に気づきのあるような、絵と言葉の本を創りたいな、というようなイメージがあって。

絵本?と言われることもあるけれど、ちょっと違う、絵と言葉の本。

その第一歩という意味合いと。


来年度のカレンダーを今度某外国の本屋さんで置いて頂けることになったので、それに日本語と英語の解説や詩をつけたいのもあって。

英語に堪能な方のご協力を仰いで、英語も併記することができた。


彫刻をされてる中学時代の美術の先生からは、絵のみで語らなくては的な感想を頂いたが。

詩を読んでくれた方からは概ね好評だった。

詩も良いね、という方や、理解が深まる、絵に対するとっかかりになる、という方など。


私個人としては、絵に軸足は置いているけれども、表現できるツールがあるなら、それに組み合わせて世界を広げるのは面白いと感じているので、持てる力は発揮する、ということで良いのではないかな、と考えている。


それに、心からやりたいことは、やっぱりやらなくては。

人生は長いけど短いし、インスピレーションと心の声は大事にした方が良いと想う。


今回、英訳をとても丁寧にコミュニケーションしながら考えて頂き、応援やご協力を頂きながら飾れる形にでき、観る人に楽しんで頂けたことはとても喜びだし、感謝の気持ちを感じているし、より前向きに、良いものをたくさん創っていきたいと思っている。



●ライブペインティングの感想を求めたことおよび、後日頂いた感想について


今回は、会期中に7/7と7/8の2回、ライブペインティングを開催。


賛美歌のような音楽をかけて壁に掛けた紙に描いた7/7の回は、すぐに「絵ってこうやってできていくんだ、と面白かった」等の感想や、色の意味は?などの質問などを頂いたのだが。


ビョークの曲をかけて床置きで、大きな会場でないとできない3m四方位ある大きな紙に、黒い絵の具からスタートした7/8の回は、いかがでしたか?と聞いてみたら、みんな一様に「うーーん」、と無言だった。

無言、には色々考えられるけれども。特に感想を聞かなくてもよかったかも、なんてことも考えていたけれど。


後日、母経由でメッセージくださった方がいて。

「素敵な音楽に合わせて植物が育っていくような」というご感想を頂いた。

そうか、良かった、と思った。

上記したように、

無言、には色々考えられるけれども。

「言葉に醸成されるまでに時間が必要となること」というのも、初めての経験などには特にあること。そういう部分もあったかな、などを思った。


それに、反応しやすい、わかりやすい形で提示する、のが良い場合もあるけど。

反応しにくい、ことをしてみるのも、それはそれでありかもしれない、とも思った。



●着物屋さん


今回、7/7の終わり間際に友禅を描いているという着物屋さんがふらりと入ってきてくださって、ライブペインティングの作品を観て、「これいいよ!これ着物にしなよ!」と何回も言ってくださった。

やり方がわからないので、再度いらしてくださったけれどもまだお話足りず、もうちょっとお話を聞きたいので、コンタクトしてみようと思っている。


他にもライブペインティングを布にして服にしたら?と提案してくださる女性の方たちもいたりして。


個展にいらしてくださった方々の反応からヒントを頂いた気持ち。

色々やってみたいなと思っている。


やっぱり他の人に観て頂くというのは良いし、コミュニケーションの中から新しいものは産まれるし、偶然の中に素敵な出逢いが紛れている。あらためてそう想った。

この世の見えないコネクションみたいなものって、素晴らしいなと思う。



●個展をする、という行動をすることのインパクト


個展をやると、エネルギーが動く!というか、世界に発信される、みたいな感覚がある。

個展中、実際にFacebookのライブ配信やInstagram動画で発信等もしていたけれど。目に見えないところでも何かエネルギーが動いたりコミュニケーションされて、新しいお話が来る、みたいな感覚が今回はすごくあった。


ちょっと感覚的な話かもしれないけれど。やっぱり「何かを企画して実際に行う」ということは、すごく引き寄せというか、実際の状況を打開したり先に進ませる推進力のようなものが働くことなのだな、と改めて強く実感。



●ともかくも、観てくれた方応援してくださった方々、英訳や広報や会場でご協力をくださった方々、支えてくれた家族に、本当に感謝です。御礼の記事は別でも書かせて頂いたけれども、再度心から、どうもありがとうございます。


KAHOU CHRONICLE

画家・中林可寶のオフィシャルブログ。 自然からインスパイアされた、溢れる色彩と曲線を多用したアクリル絵画制作をベースに、演劇・ベリーダンス・絵のモデルなどの経験を統合したライブペインティング・パフォーマンスや、詩的世界観溢れるボディペインティングなど、2次元の絵を動的でリアルな表現世界まで展開。

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